東大生の中学受験②(女子学院落ち)

東大生の中学受験

この記事では、東京大学農学部の学部生である筆者が中学受験を通して感じたことと、その後東大に合格するまでの体験談を簡単に紹介しています。

以下自分の簡単なプロフィールです。

・20代女性

・県立小学校出身

・小3からSAPIX→東邦大東邦中・高

・1浪して東大理二→農学部

・好きなものは散歩と写真、カラオケ、ゲーム

・得意科目は国語と生物、苦手科目は数学

幼少期の過ごし方

自分は小さいころから生き物が好きで、小学校にある小さな池に張り付いてオタマジャクシやメダカを何時間でも眺めているような子供でした。

休みのときは友達と近くの川でザリガニを釣ったり、草むらでバッタを何匹捕まえられるか競争したりしていました。

また、図鑑を眺めるのが好きで、鳥や昆虫、特に毒をもつ生き物の写真や解説を読みふけっていました。

東大生に本好きが多いというのはあながち間違いではないと思いますが、自分も例にもれず休み時間には図書室へ行き、モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズや歴史や偉人の紹介漫画、あさのあつこの「No.6」など様々なジャンルの本を読み漁っていました。

小学生のときの読書体験は今でも良い影響を受け続けています。

語彙力や読解力が身に付くだけでなく、小学生では体験しえないような世界を疑似体験することができ視野が広がったように思います。

学習系の習い事は小3までは何もしていませんでした。

SAPIXと受験勉強

小学3年生の7月から地元のSAPIXに通い始めましたが、3年生では受験勉強というよりは、パズルを解いたり身の回りの自然現象について学んだりして、好奇心や思考力を身につけるカリキュラムだったように思います。

小学4年生からは本格的に受験勉強が始まりました。

受験勉強は父親と一緒にSAPIXで分からなかった問題を解いたり、宿題をこなしたりとそれなりに熱心に取り組んでいました。

つらい事も多かったけれど、それよりももっと知りたい、もっとできるようになりたいという気持ちが大きかったです。

おかげで最上位クラスかその一つ下のクラスを行き来するぐらいの成績でした。

勉強=つらいもの、仕事のように報酬をもらえるものという認識だと、あそこまでメンタルは保てなかったと思います。

ただ一つ、算数の勉強だけはどうしても好きになれず、苦手どころか恐怖心さえ抱いていました。

結局数学は大学生になっても苦手なままでしたが、理系に進むうえで、中学受験、大学受験、さらに在学中の講義において大変苦労しました。(塾長注:これはかなり高いレベルでの苦手話です。)

国語に関しては本を読んでいたため苦労することはありませんでした。

国語が苦手な場合は、たくさん文章を読むことが一番の近道ではないかなと思います。(塾長注:私はそうは思いません。)

社会や理科に関しては覚えることが多かったので、分野に区切って、今日はこの分野を覚える、ここだけは完璧にするぞという気持ちで勉強しました。

分からない部分は先生に積極的に質問しにいきました。

受験勉強に限らずですが、疑問を放置することは一番やってはいけないことだと自分は思っています。質問して納得できると、その時の記憶がより定着しやすくなります。

感情を伴う記憶は長期間残るという性質ですね。

中学受験戦記

自分が中学受験した中学校は以下のようになります。

・女子学院中学校    →不合格

・豊島岡女子学園中学校 →不合格

・渋谷教育学園幕張中学校→不合格

・市川学園中学校    →合格

・東邦大学付属東邦中学校→合格(進学)

第一志望であった豊島岡女子学園は直近の判定はたしかB判定ぐらいだったと思います。

成績としては悪くなかったように思いますが、やはり算数が解けなかったことが大きな敗因だったと思います。

算数は差が付きやすい上に分野が多いので、得意不得意がはっきりしていた自分は、ある意味賭けで負けたといえるかもしれません。

渋谷幕張に関しては、入試問題がかなり特徴的なので、志望別の対策をしっかりしないと難しいといった印象でした。

また、試験会場が幕張メッセだったので、とても広い会場で多くの受験生が見える状態で問題を解くというなかなかレアな経験をしました。

結局合格した二校のうち、より家から近かった東邦中学に進学することになりました。

不合格を知ったときの落胆は親のほうが大きく、自分ももちろん落ち込みました。

ただ、結局進学することになった東邦大東邦はとても良い学校でした。

東大に合格するまで

第一志望ではなかったとはいえ、東邦での生活はなかなか悪くありませんでした。

刺激的な友人や親身になってくださる先生方に恵まれ、とても楽しい中学高校生活を送れたと思います。

勉強に関しては、最初のほうこそ良かったものの、徐々に中だるみしていき一時は下から50番目ぐらいまで落ちたこともありました。

生物の先生の授業が大変面白かったため、生物系の研究者になるぞと高三の夏にやっと覚悟を決めて東大を目指し始めました。

今までの遅れを取り戻すように猛烈に勉強しましたが、結局現役では不合格でした。この時痛感したのは、大学受験はいかに早くから始めるかが勝敗を決めるということでした。

河合塾で浪人し、さらに一年勉強しました。

浪人はつらいと先輩方から脅されていましたが、全然そんなことはなく、工夫された授業や同じ目標を持つ友人たちと競い合いとても楽しい時間でした。

一年のアドバンテージを存分に活かし、数学と英語に特に力を入れて取り組みました。

また、得意科目であり興味が高かった生物や化学は、高校生のときよりより深く学ぶことができ、一番楽しい授業でした。

受験当日は自信を持って挑み確かな手ごたえを感じながら帰りました。

合格発表のときは飛び上がるぐらい嬉しかったです。

私が伝えたいこと

長々と体験を語ってきましたが、一番伝えたかったことは「失敗を恐れず、勉強自体を楽しむ」ということです。

第一志望の中学に合格する、というモチベーションはもちろん大切なのですが、やはり勉強を続けていく上で楽しむというマインドが非常に重要だと自分は思っています。

知識が増えていくこと、学んだことが繋がっていって全体が見えてくること、この快感を、中学受験を通じて体感してもらえたらなと思います。

自分は中学受験では第一志望に入ることが出来ませんでしたが、最終的には東京大学に進学することができました。

中学受験が上手くいかなかったとしても、その後の進路はどうとでもなると思っています。

だからこそ中学受験は学ぶことを習慣化する、学ぶことの楽しさを知る良い機会として捉え、失敗を恐れず挑戦してほしいです。

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