ゆる受験について

中学受験全般

私が「ゆる受験」という言葉を初めて目にしたのは2021年だったと記憶しております。

始めは見出しを見ただけで「中学受験はそんなに甘いものじゃない」と思いましたが、色々調べていくうちに「こういう中学受験もありだな」と思うようになしました。

というよりも私の塾でも今までにいわゆるこの「ゆる受験」を実践して合格した実績があったのです。

ゆる受験は偏差値50以上の学校を目指す方にはお勧めしません。

この記事ではいわゆる「ゆる受験」について考えていきます。

※この記事では首都圏模試80%偏差値50以上を「難関校」とし、それ以外を「難関校ではない学校」とします。(首都圏模試の偏差値表は検索すれば出てきます)

ゆる受験とは

ここで言う「ゆる受験」とは志望校を高めに設定せずに、無理のない範囲で中学受験をすることを指します。

以下にあてはまる場合は「ゆる受験」が向いています。

・第一志望が首都圏模試偏差値50未満の場合

・勉強面であまり負担をかけたくない方

・金銭面であまり負担をかけたくない方

中学受験をする方が全員難関校に行きたい訳ではありません。

中高一貫校でのびのびと過ごせればそれで良いという考え方の方もいらっしゃいます。

そういった方にとってサピックスや日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚などの難関校の合格を目的とした塾のカリキュラムではやることが多すぎます。

首都圏模試偏差値50未満の学校を第一志望にする場合、難関校に照準を合わせたカリキュラムの多くは不必要です。そして、勉強嫌いを誘発します。

単純に地元の公立中学には行きたくないから中学受験をするということが動機の場合、そこまでの勉強は必要ないですし、お金をかける必要もありません。

そういった方にとっての無理のない中学受験が「ゆる受験」です。

ゆる受験のやり方

それでは実際にゆる受験をする場合、具体的にどのように進めていくのかを説明していきましょう。

ゆる受験は巷間で言われている中学受験とは大きく様相が異なります。

いつから始めるのか

まず、塾に通う場合は5年生の2月からでも大丈夫です。

この記事で想定している難関校ではない学校の入試問題は小学校で学習した範囲を少し難しくした程度の入試問題なので、あまり多くの対策をする必要はありません。

算数でいえば中学受験の算数に特有な特殊算(つるかめ算や仕事算など)は出たとしても基本問題ばかりなので、基本を押さえておけば問題ありません。

受験対策を始めるまでは学校で習った漢字や計算はしっかりとやっておきましょう。

計算は学校のドリル以外に市販の教材を買ってやっておくとなお良いでしょう。

計算は以下の教材が一人で無理なくできるのでお勧めです。

小1から対応できます。

どのような塾を選ぶべきか

ゆる受験の場合は合格実績で名を馳せる大手の集団塾に通う必要はありません。

そもそも新小6からは大手の塾では引き受けてくれないことが多いです。(大手塾から大手塾への転塾はあります)

ゆる受験の場合は小回りの利く地元の小さな中小塾や家庭教師の方が向いています。

地元の中小塾を選ぶのであればなるべく開校してから少なくとも5年以上経過していることが望ましいです。10年以上続いている塾であればなお良いです。

大手の個別指導塾も良い先生にあたれば良いのですが、学生アルバイトだと経験が浅く、そうでない場合は料金が高くなりがちです。

学生のアルバイトで経験が浅くても優秀な講師は沢山います。しかしそういった講師にあたるかどうかは運任せのところはあるのでリスキーです。

かといってプロ講師であれば良いということでもありません。大手個別指導塾の中には学生ではない講師を学生ではないという理由だけで「プロ講師」と称している場合もあります。

また、個別指導塾の場合、体験授業で担当した講師が実際に入塾した後に担当するかどうかを「体験授業を受ける前に」確認して下さい。

体験授業を受けた後だと塾側はそもそも入塾後は担当できない評判の良い講師を体験授業で担当させる場合があります。

よって個別指導塾で講師を選ぶ場合は以下の点を必ず確認して下さい。

・指導経験は何年か

・受験が終わるまで担当してくれるか

・体験授業で担当する講師は入塾後も担当する講師か

その上で相性やお子さんの感想、料金などを総合的に判断すると良いでしょう。

家庭教師を選ぶ際も同様です。家庭教師派遣センターから家庭教師を紹介される場合も上記のことは確認した方が良いです。

また、塾講師も家庭教師も2~3月は受験が終わった直後なので閑散期です。

この時期の方が良い塾講師も家庭教師は空いています。

よって、個別指導塾で塾講師を選ぶ場合も家庭教師を選ぶ場合も学年が変わる2月が一番良い時期です。

集団塾を選ぶ場合も新小6から受け入れてくれるところを探すのはもちろんですが、なるべくカリキュラムに融通を利かせてくれるところを選びましょう。

二科目にするともっと楽

難易度の高くない学校は算数・国語の二科目だけで受けられることがあります。対策の科目を二科目に絞ってしまえばやらなければならないことがかなり絞られるので対策は立てやすくなります。

二科目に絞った場合は勉強時間の8割は算数にあてて下さい。国語は読解問題集で問題を解いて過去問を解くだけでも良いです。

それ以上の勉強をしてもしなくても1年であれば国語の点数はそんなに変わりません。

それは言い過ぎと思う方もいるかもしれませんが、ほとんどの場合、国語の勉強時間を算数にあてた方が二科目の合計得点を上げるためには効率が良いです。

もちろん四科目の方が選択肢は広がるので、1年間受験勉強に専念できるのであれば四科目受験の方が望ましいです。

そして難関校でない場合、本人の能力とやる気があり、計画的な学習が実践できれば1年でも四科目の対策は間に合います。その場合も7割近くは算数の勉強にあてて下さい。

理科・社会は以下の教材がお勧めです。

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ゆる受験のメリット

ゆる受験には下記のようなメリットがあります。

昨今の過熱気味の中学受験に疑問を持つ方は下記はメリットに感じるのではないでしょうか。

・受験のための教育費が抑えられる

・勉強が嫌いになるリスクを軽減できる

・受験勉強について親子で衝突することが少なくなる

ただしゆる受験はあくまでも「ゆるい」受験なので、受験を成長の機会と捉える方にとっては上記のリスクよりそのことを乗り越えることのメリットの方が大きいと感じるかもしれません。

ゆる受験のデメリット

ゆる受験のデメリットについて考えます。ゆる受験は中学受験そのものにはそんなにデメリットはなさそうです。

私がデメリットとして考えるのは中学入学後のことです。もちろん中学入学後のメリットもあります。

余裕を持ってゆる受験で中学に入った場合、中学・高校で上位にいることができます。

しかし難関校ではない中学には飛び抜けてできる子がいません。これは公立中学とは大きく異なる点です。

公立中は中学受験で失敗した人や中学受験ができなかった人ばかりが進学する訳ではありません。

公立中にはあえて中学受験をしなかった人に中に超優秀層が一定層います。

公立中に進学するとそういった層も含めて色々な成績の層がいるのでその優秀層から良い刺激を受けることがあります。

しかし難関校ではない中学は同じような学力の生徒ばかりが集まるので、超優秀層から刺激を受けなくなります。

それともう一つ私がデメリットに感じる点があります。中学受験をゆる受験で乗り越え、高校受験も回避した場合、初めての本格的な受験は大学受験になります。

受験を回避することは果たしてメリットなのでしょうか。私は疑問です。

まとめ

サピックスや日能研を経て受験をするばかりが中学受験ではありません。労力と費用をかけずに私立中学に入れる方法もあるということを紹介しました。

「私立中学に入る」ということだけを目的とするのであればゆる受験はお得です。

しかし近視眼的に目先の中学受験のことを考えるのではなく、将来何を目指すのかということを念頭において中学受験を考えて欲しいと切に願います。

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