中学受験で失敗するパターン

中学受験のハードル

この記事では中学受験で失敗するパターンについて述べます。

最後に述べますが中学入試で真に失敗することはありません。

そして中学受験でどこも受からなくて公立中学に進学する(いわゆる全落ち)ということは実はそんなに多くはありません。

では、どういう場合に中学受験に失敗するのかを考察していきましょう。

受験前に撤退するパターン

中学入試の前に中学受験から撤退する場合は一概に失敗とは言えません。

小6になる前に撤退している場合は傷は浅くて済むでしょう。

ここで「傷」という言葉を使いましたが、中学受験のために勉強してきたのに結果が残せなかったという事実傷つかない親子はほとんどいません。

傷ついていないフリをしているだけか、傷ついていないと思い込んでいるだけです。いずれ癒える傷ですが。

撤退する場合は「せめてここまで頑張ったのだから公立中高一貫校の適性検査対策に切り替えて」という甘い考えも捨てた方が良いです。

公立中高一貫校の適性検査に合格するような子は、学校にもよりますが基本的には私立中学受験でも結果を残せる子です。

それなりの偏差値の私立中学の受験を諦めざるを得なかった子が公立中高一貫校に受かる可能性はとても低いです。

やはりここで不合格だった場合も傷を負います。

ただし、私立中学でも適性検査型の入試を実施している学校もあるので(調べてみれば分かりますが、もともと難易度の低い学校ばかりです)それを受けるというのは一つの手でしょう。

もしくは「ゆる受験」に切り替えて塾を変えるというのもやり方としてはありえます。

しかし「本人の気持ちを優先してレベル的に届かないところに受ける」記念受験は何のメリットもありません。

受かる可能性が低い学校に受かったとしても、入学した後に学校の授業についていけなくなるだけです。

どの段階で見切りをつけるべき?

ではどの段階で見切りをつけるべきでしょうか。

結果として私立中学の入試を受けないということであれば撤退は早い方が良いです。

撤退する一番良い時期は小5になって勉強が難しくなってきてついていけなくなり、夏期講習の申し込みのタイミングが迫ってきた時です。

この時期が後になって考えてみれば一番分かりやすい撤退の時期だったということがよくあります。

ただ、実際には「たまたま調子が悪かっただけなのかもしれない」「まだ本人はやる気がある」という迷いがあるのでこの時期に撤退するのは現実問題として中々難しいです。

しかし、小5になって割合が出てきて式を迷うような子、速さの単元で「きはじ」を使わないと式が立てられない子がY偏差値60以上の学校に合格できる可能性は極めて低いです。

大手塾をやめていわゆる「ゆる受験」に切り替えるか、中学受験から撤退するかのどちらかを早めに決めた方が良いです。

その際、国語は関係ありません。その段階で算数をつまずく子は中学受験には向きません。

塾の先生は中学受験に向かないということは中々教えてくれません。塾も営利団体ですから。

小5の夏期講習前が撤退するには一番良いタイミングなのですが、その時期を過ぎたとしても中学受験から撤退するのであれば早ければ早い方が良いです。

衝突を何回も繰り返して小6の秋以降に撤退するのは最悪のタイミングです。

一度嫌いになった勉強に対するモチベーションを3年後に上げるのは、多くの親御さんが想像しているであろう状況より非常に困難です。

早めの見切りは高校受験に有利

なぜ、中学受験を撤退するなら早い方が良いのかの理由は以下の二点です。

①傷が浅くて済む(勉強を嫌いにならない)

②高校受験に向けた準備ができる

①は既に説明しました。②については「せっかく中学受験を止めたのにすぐに高校受験に切り替えるの?」と思うかもしれません。

中学受験と同じ感覚で高校受験のための塾に通う必要はないです。

小5、小6が中学の先取りをするのは中学受験から解放された後、本当にちょっとずつで構いません。

週4時間くらいの勉強でも全然大丈夫です。

やるべきことは数学と英語の先取りです。これは別の記事で書きます。

受験して失敗するパターン

では実際に中学入試を受けてみて失敗するパターンについて考えます。

中学入試で全落ちするのはそのほとんどが併願戦略の失敗です。

受験が近づいてくると悪い意味で開き直るご家庭が増えます。

「この中学が駄目だったら公立で良い」と決めて、併願校で現実で受かりそうな学校を一切選択肢に入れず、第一志望校と第二志望校のみで突き進むようなパターンです。

このようにすると目標が明確になり、あれこれと戦略を立てる必要がなくなり、目の前の困難からは逃げることができます。しかし玉砕する可能性は高くなります。

そして、繰り返しになりますが中学受験で失敗して高校受験に切り替えるのは3年やそこらでは困難です。

したがって目の前の困難からは目を背けずに、併願戦略は最悪のケースを考えて受験校を決めなければ駄目です。

まさに「悲観的に計画を立て、楽観的に行動せよ」です。

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小6の撤退はどちらも親の心が折れた時

小6での中学受験撤退は小6で塾を止めるにせよ、併願戦略で玉砕戦略を取るにせよ、その理由はどちらも親の心が折れた時です。

深く考えずに中学受験に何となく突入すると、間際になって心が折れざるを得ない局面がやってきてしまいます。

対処法は二つです。

①小6になる前に戦略は固める

②小6になったら冷静に状況を分析し、玉砕戦法は取らない

①は「中学受験をするかしないか」という大まかな戦略です。受験校は決めるのはまだ先で良いのですが、小6になってから中学受験から撤退するのはタイミングとして最悪です。

小6になる前に決めるということは小5になった時に考えておくということです。

②はもう小6になってしまったのであれば最悪のケースを考えて受験校は決めるということです。

1月の受験校、2月の受験校、それが落ちた場合の滑り止め校、滑り止めも落ちた場合の受験校など8りくらいの受験パターンは想定しておきましょう。

それをしなかった人こそが全落ちしています。

まとめ

ここまで中学受験に失敗するパターンについて述べてきました。

しかし本当は中学受験に失敗はありません。

中学受験で望みが叶わなかったことを次に生かせなかった時が本当の失敗です。

第一志望に受からなかったことを次に生かせればそれは失敗でなく単なる挫折に過ぎません。

豆電球を発明したエジソンは言いました。’’失敗ではない。うまくいかない方法を発見したのだ”と。

中学入試の合否を生かすのも殺すのもその後の行動が決めます。

中学受験は人生の通過点の一つに過ぎないという気持ちで次に臨みましょう。

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